今回はジブリ映画「となりのトトロ」にまつわる都市伝説を可能な限りすべてまとめてみたので、それらが嘘か本当なのかを検証したいと思います。
こんな人に読んで欲しい
- 「となりのトトロ」の都市伝説って何?
- サツキとメイは死んでるって本当?
- メイのサンダルを比較すると?
- 「となりのトトロ」は狭山事件と関係があるの?
巷で有名な「となりのトトロ」に関する都市伝説を詳しく調べてみた結果、私の個人的な考えも含みますが、おおよそ以下のような結論となったのでその内容を一つ一つご紹介していきたいと思います。
- ポスターに謎の女の子が写っている
- コダマが進化した姿がトトロ
- 猫バスはあの世へと導く乗り物(グレー)
- 狭山事件とリンクしている(グレー)
- 母親の病気は結核(グレー)
- トトロの原作は地獄巡りがテーマ
- トトロは死神
- サツキとメイは映画の途中で死んでいる
- 池で見つかったサンダルとメイのサンダルは同じ
- メイと書かれたお地蔵様・お墓が一瞬だけ映る
- サツキとメイがラストシーンで母親に会わなかったのは死んでいたから
- 物語は全て父親の妄想のお話
- エンドロールが過去の回想シーンになっている
- さんぽの歌詞が地獄への道しるべになっている
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ポスターの謎の女の子
これは当時「となりのトトロ」と「火垂るの墓」が同時上映の予定だったことに理由があります。
ポスター女の子が違う理由
- 「となりのトトロ」と「火垂るの墓」は元々同時上映の予定だった
- 各60分ずつの合計2時間の上映時間となるはずだった
- しかし「火垂るの墓」が最終的に90分程度の作品に
- よって同時上映ではなく各単体で公開されることに
- そのため「となりのトトロ」も時間を延ばす必要性が発生
- 当初1人の女の子だった設定を、姉妹に変更することで解決した
コダマが進化した姿がトトロ
映画「もののけ姫」のラストシーンで1匹のコダマが登場します。
このラストに登場するコダマが後に成長した姿がトトロであるという都市伝説ですが、これについては宮崎監督自身が発言したという記述が書籍に残っているため本当という事になります。
コダマって後々耳が生えてトトロに進化するんだよ。 pic.twitter.com/3T3Nzw7gwf
— ジブリまみれ (@ghiblimamire) July 4, 2014
原作は地獄巡りがテーマ
まず「となりのトトロ」に原作が存在しないということは、ジブリが公式に明言しています。
よって"地獄巡り"をテーマとした「となりのトトロ」の原作がある!という都市伝説は嘘という事になります。
小説版トトロでは"トトロは姉妹が作り出した幻影"のような存在であり、映画とはちょっと違った形で描かれているそうです。
恐らくこのような小説版の存在や、トトロの幻影設定、また次に紹介するトトロは死神なの?といった噂がひとり歩きした結果「地獄巡りを描いた原作がある」という都市伝説が生まれたのではないでしょうか。
トトロは死神
トトロが死神という有名な都市伝説については、ジブリ公式の「ジブリ日誌」というページではっきりと否定されています。
みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、
メイちゃんは死んでるという事実や設定は、
「となりのトトロ」には全くありませんよ。
また、トトロ=トロールとする都市伝説もあります。
確かに映画の中でも、サツキが「トトロって、絵本に出てたトロルのこと?」とメイに問いかけるシーンがあります。
トトロの語源に関しては、この他にもこんなエピソードが。
「トトロの生まれたところ」という本の冒頭で、「となりのトトロ」は元々「所沢にいるとなりのおばけ」というタイトルだったと語られているそうです。
メイがトロルをトトロと言い間違えたのか、所沢(ところざわ)からトトロになったのか、語源としてはどちらも確実とは言えないところがあります。
いずれにしても公式がはっきりと否定しているため、トトロ=死神とする都市伝説は全く根拠がない嘘の都市伝説と言えそうです。
サツキとメイは既に死んでいる
映画後半になるとサツキとメイの影が無く、死んで幽霊になってしまったので影が消えたとする都市伝説があります。
「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、
作画上で不要と判断して略しているだけなんです。
またよーく見てみると、映画後半は他の登場人物たちの影も省略されている事が確認出来るので、この「サツキとメイは既に死んでしまっているから影が無い」という都市伝説も嘘という事になります。
池で見つかったサンダルとメイのサンダルは同じ
メイのサンダルに関する都市伝説
- 池で見つかったサンダルをサツキは「メイんじゃない」と否定しているが、メイが履いていたサンダルと色や形が全く同じ
- サツキがメイを見つけたとき、メイがサンダルを片方履いていない
- よってメイは池で溺れて死んでしまっている
この都市伝説についても先程ご紹介した通り、ジブリ公式にてサツキとメイが死んでいるという説ははっきりと否定されています。
みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、
メイちゃんは死んでるという事実や設定は、
「となりのトトロ」には全くありませんよ。
まずメイちゃんが履いていたサンダルと池で見つかったサンダルですが、比較してみるとサンダルの色はほぼ同じですが、形は足の甲に当たる部分の形状が全く異なることが分かります。
さらに「サツキがメイを見つけたとき、メイがサンダルを片方履いていない」とする都市伝説も、そのシーンを確認してみるとメイちゃんは両足にサンダルを履いているため、この「池で見つかったサンダルとメイのサンダルは同じ」という都市伝説も明らかに嘘であると言えます。
メイと書かれたお地蔵様・お墓が一瞬だけ映る
これは先程のメイちゃんがお地蔵様の前で座っているシーンで、一瞬だけ"メイ"と書かれたお地蔵様またはお墓が映っているという都市伝説です。
これについては該当するシーンを超コマ送りで再生してみましたが、"メイ"と書かれたお地蔵様やお墓は見つかりませんでした。
猫バスはあの世へと導く乗り物
猫バスに関する都市伝説
- サツキは猫バスに死んでしまったメイの所へ連れて行ってと頼んでしまった
- そのため猫バスによってあの世へと連れて行かれてしまった
- 猫バスの行き先が"墓道"になっていることがその根拠
根拠として書かれている猫バスの"墓道"という文字ですが、これは「塚森→長沢→三つ塚→墓道→大社→牛沼→めい」と猫バスの行き先表示が切り替わる途中で表示された文字であり、これだけで「猫バスはあの世へと導く乗り物」とする都市伝説は嘘である可能性が高いです。
しかし、2002年に三鷹の森ジブリ美術館で公開された短編映画「めいとこねこバス」で猫バス界の大ボスとも言えるネコバアなる猫バスが存在していることが判明。
その行き先表示が"風浄土"(語源は不明)となっているため、死者の魂や極楽浄土との関係性も明確には否定できないのかもしれません。
サツキとメイは死んでいるから母親に会えなかった
映画のラストでサツキとメイが木の上から病室の母親を見ているシーンがあります。
トトロのラストシーンに関する都市伝説
- サツキとメイは死んでいるから母親に会えなかった
- 母親の「今そこの松の木で、サツキとメイが笑ったように見えた」という発言が不自然
- 母親にも死期が近づいているのでサツキとメイの気配を感じることができた
あとはなぜサツキとメイは母親に会わなかったのか?についてですが、考えられる理由はいくつかあります。
母親に会わなかった理由(推定)
- 病院までどうやって来たのか心配させたくなかった
- 父親と母親の時間を邪魔したくなかった
- 母親が家に帰ってくるまで楽しみを我慢した
母親だけサツキとメイの気配を感じたのも、無理やり理由をつけるとすれば、単純に角度的な問題ではないでしょうか?
周囲もかなり暗くなっているシーンなので、トウモロコシを置いた時点ではすでに猫バスに乗っていて、サツキとメイの気配が薄かったとも考えられます。
狭山事件とリンクしている
トトロと狭山(さやま)事件に関する都市伝説
- 「となりのトトロ」の舞台が埼玉県の狭山市である
- 狭山市ではある姉妹が被害者となった"狭山事件"が起こっている
- サツキとメイの名前が狭山事件発生の5月に由来する
- サツキとメイの年齢を足すと狭山事件で殺された妹の年齢(16歳)になる
- 錯乱状態になった姉が「猫のお化けを見た」や「大きな狸に会った」と発言している
調べてみたところ「となりのトトロ」の舞台となった場所については明確に公表されていませんでした。
ですが、宮崎監督が実際に暮らしていた埼玉県所沢市が舞台である可能性が高く、狭山市は所沢市の隣町となっています。
映画の元々のタイトルが「所沢にいるとなりのおばけ」であったことからも、メインの舞台は所沢市である可能性が高いでしょう。
映画の中でも"狭山"という文字が出てくることから、狭山市も「となりのトトロ」と全く無関係という事では無さそうです。
また狭山事件については、実際に1963年5月1日に埼玉県狭山市で発生した事件で、この狭山事件で殺害されてしまった妹の年齢は16歳(ちなみに姉は23歳)。
ですが「猫のお化けを見た」や「大きな狸に会った」と発言した事実は無く、姉は錯乱状態ではなくきちんと受け答えできたとされています。
- 「となりのトトロ」の舞台は埼玉県の狭山市である(極めて可能性が高い)
- 所沢市と狭山市は隣町
- 狭山市ではある姉妹が被害者となった"狭山事件"が発生している
- サツキとメイの名前が狭山事件発生と同じ5月に由来する
- サツキとメイの年齢を足すと狭山事件で殺された妹の年齢(16歳)になる
- 錯乱状態になった姉が「猫のお化けを見た」や「大きな狸に会った」と発言した
母親の病気は結核
母親の病気に関する都市伝説
- 母親が入院している七国山病院は、八国山緑地に隣接する"東京白十字病院"と"新山手病院"がモデルになっている
- この病院はどちらも元結核療養所である
- よって母親の病気も結核である
七国山病院のモデルが"東京白十字病院"や"新山手病院"であるという都市伝説がありますが、どちらもジブリ公式の発言ではありません。
母親の病気についても公式的なコメントはありませんが、宮崎駿監督の「出発点―1979~1996」という本の中で"サツキ達が引っ越してきた家は元々結核患者が住んでいた家"であるという設定が書かれています。
物語は全て父親の妄想
これは引っ越してくる前からサツキとメイは既に死んでいて、父親はサツキとメイが生きている理想の物語を小説として執筆している。
その父親の空想の物語が「となりのトトロ」のお話であるという都市伝説です。
実は公式の設定資料によると、父親(草壁タツオ)は大学の非常勤講師であり、考古学を教えるとともに、生活のために翻訳の仕事も行っているそうです。
そして現在は「革命的な新学説の大論文を執筆中」とのこと。
エンドロールが過去の回想シーンになっている
エンドロールは「サツキとメイが生きていた過去の回想シーン」であるという都市伝説があります。
エンドロールが過去の回想シーンである根拠として"両親の顔が劇中よりも明らかに若い"とされていますが
というのが正直な意見です(笑)
また焼き芋のシーンやおばあちゃんの姿も描かれていることから、エンドロールでは映画本編(初夏)から後の内容が書かれていて、母親は無事退院してサツキたちのもとに帰ってきた、と素直に考えるべきかなと思います。
さんぽの歌詞は地獄への道しるべ
「となりのトトロ」のテーマソング「さんぽ」についてもこんな都市伝説が。
さんぽに関する都市伝説
- さかみち
トンネル
草原
一本橋に
デコボコじゃりみち
くもの巣くぐって下り道 - 歌詞ではどんどんと人気のない道を進んでいて、これは地獄への道を進んでいることを表している
「となりのトトロ」の都市伝説には嘘も多い
ということで今回はジブリ映画「となりのトトロ」にまつわる都市伝説とその真相をご紹介しました。
「となりのトトロ」には数多くの都市伝説がありますが、実際に調べてみると嘘の都市伝説も多かったなという印象です。
- ポスターに謎の女の子が写っている
- コダマが進化した姿がトトロ
- 猫バスはあの世へと導く乗り物(グレー)
- 狭山事件とリンクしている(グレー)
- 母親の病気は結核(グレー)
- トトロの原作は地獄巡りがテーマ
- トトロは死神
- サツキとメイは映画の途中で死んでいる
- 池で見つかったサンダルとメイのサンダルは同じ
- メイと書かれたお地蔵様・お墓が一瞬だけ映る
- サツキとメイがラストシーンで母親に会わなかったのは死んでいたから
- 物語は全て父親の妄想のお話
- エンドロールが過去の回想シーンになっている
- さんぽの歌詞が地獄への道しるべになっている
ですが公式には公表できない部分もあるでしょうし、特に調べてみた結果がグレーに近かったものなどは実は裏設定として存在するのかもしれません。