
今回はスタジオポノック長編アニメ第1作「メアリと魔女の花」について、この映画がジブリ映画っぽい理由や、ジブリ映画との共通点をご紹介します。
こんな人に読んで欲しい
- なんでメアリと魔女の花はジブリっぽいの?
- メアリと魔女の花とジブリ映画の共通点って?
- メアリと魔女の花の謎や都市伝説って?
「メアリと魔女の花」予告3
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「メアリと魔女の花」とジブリ映画の共通点は?

巷で「メアリと魔女の花」がジブリ作品のパクリ、なんて言われてしまっている理由は主にこんな感じ。
雰囲気や演出が似ている点
- 絵の雰囲気 → まさにジブリ
- 冒頭のスタジオポノックのロゴ → トトロの横顔
- 魔法使いの戦い → ハウル
- ホウキのキラキラしたエフェクト → ハウルっぽい
- 大きな木の根&雲の中の世界 → ラピュタ
- 正門へと続く危なげな階段 → 千と千尋
〇〇で出来ること
- ホウキに乗って黒猫と飛ぶ → キキ(魔女の宅急便)
- メアリ → メイとそっくり
- 夜間飛行 → ラピュタの飛行石
- 動物がいっぱい → もののけ姫
- フラナガン → 猫の国にいそうなキャラ
- 黒い魚のような生物 → ポニョに出てきそう
- 魔力を吸い取られて老いた校長 → 荒地の魔女(ハウル)

予告動画の雰囲気もどこかジブリっぽいので、そもそも「メアリと魔女の花」がジブリ作品だと思っている人も少なくないかもしれません。
「メアリと魔女の花」予告
「メアリと魔女の花」がジブリっぽい理由は?
一体なぜこのようにジブリ作品と似ている点がたくさんあるのでしょうか?
そもそも「スタジオポノック」は、ジブリを退社した西村義明さんと米林監督によって2015年に設立されました。
米林監督は「借りぐらしのアリエッティ」や「思い出のマーニー」といったジブリ作品を手がけています。
もちろん本作「メアリと魔女の花」も、米林監督と西村プロデューサーのタッグで制作されています。
米林監督はスタジオジブリで約20年間アニメ制作をしてきた方であり、スタッフも約8割がジブリ作品にたずさわってきた人たちです。

「メアリと魔女の花」のキャッチコピーは「魔女の宅急便」が理由?
本作「メアリと魔女の花」のキャッチコピーは"魔女、ふたたび。"
実は赤字続きだったスタジオジブリを救った「魔女の宅急便」。
スタジオポノックの記念すべき長編アニメ第1作で失敗はできない!
そんな思いから「魔女の宅急便」にあやかって、このキャッチコピーが付けられたのかもしれません。
「メアリと魔女の花」の原作は?
「メアリと魔女の花」の原作はイギリスの女性作家メアリー・スチュアートさんが、1971年に発表した「The Little Broomstick」という作品です。
日本では1975年に「小さな魔法のほうき」というタイトルで翻訳出版されました。
その後、2017年には映画に合わせて「新訳 メアリと魔女の花」が発売。
さきほど紹介したジブリ作品と似た雰囲気の演出やキャラクター達は、実は原作とは関係ない設定のものも多いのだとか。
あえて追加された設定なのだとすると、ひょっとしてジブリファンへのファンサービス?

「メアリと魔女の花」の謎って?

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
「メアリと魔女の花」を見ると

という風にいくつか疑問に思う点があるはず。
個人的に「メアリと魔女の花」観賞後に疑問に感じたポイントと、考えられる理由ついてまとめてみます。
元魔女シャーロットとメアリの関係って?

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
映画ではメアリがいきなり赤い館に引っ越してきていて、なにやらシャーロットおばさんと家政婦のバンクスさんにお世話になっている模様。

調べてみると、原作ではメアリは夏休み中に両親が海外で仕事のため、田舎の大叔母(シャーロット)のもとに預けられることになったのだとか。
映画序盤では、メアリが鏡に向かって転校のあいさつの練習?をしていたので、このあたりは原作と少し設定が違うのかもしれませんが、映画においても何か似たような理由で大叔母の所にやってきたのでしょう。
最後のシーンでなぜメアリは飛べたのか?

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
ラストで化け物となってしまったピーターを助けたあと、人間界にホウキで戻りますが、ここで気になったことが1つ。

さてどうやってホウキを飛ばしていたのでしょうか?
ホウキを飛ばせる可能性
- ほうき小屋のフラナガンが魔法をかけた
- ホウキに巻かれていた包帯に魔力がある
- メアリに流れる大叔母シャーロットの魔女の血のおかげ
- 暴走するピーターと手を取ったことで力が少し移った
- 夜間飛行に触れたことで、メアリの魔女の才能が開花した
どれもイマイチなような気もしますが(笑)
個人的に一番可能性があるのはフラナガンさんのヘルプ説かなと思います。

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より

シャーロットの服や髪の色が変化したのはなぜ?

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
冒頭、シャーロットが夜間飛行を盗んで逃げるシーン。
力尽きて落下していくところでシャーロットの服や髪の色が変化していました。
映画の中でシャーロット自身が「今は魔法は使えない」と話していたので、魔力を失ったことを表現しているシーンなのかなと思います。
ではなぜ魔法の力を失ってしまったのでしょうか?
魔法の力を失ってしまった理由
- 人間界に来てしまったことで魔力が失われた
- マンブルチューク校長に魔法をかけられた
- 夜間飛行を盗む際に力をほとんど使い切っていた
はっきりとした理由は分かりませんが、もしかすると単純に歳を取ったからなんて理由かも。
あ、でも校長やドクター・デイは魔法使えるのか・・・

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
あと"今は魔法が使えない"はずのシャーロットおばさんが、どうやって旧家の鏡越しにメアリと話すことが出来たのか?も疑問ですが、このあたりはまるっと全部演出上の都合!と考えるしかないかもしれません(笑)
ティブとギブはなぜ夜間飛行のことを知っていたのか?

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より
ティブとギブはなぜ夜間飛行やホウキの場所、また実の使い方を知っていたのでしょうか?
なんと原作で"夜間飛行"は「龍の舌」、「魔女の鈴」、「ティブの足元」などと呼ばれていて、ゼベディさんは「夜間飛行」と呼んでいるとのこと。

© 2017「メアリと魔女の花」製作委員会 / 映画「メアリと魔女の花」より

黒猫ティブはどうやらただ者ではない模様(笑)
原作と映画がどこまでリンクしているのか定かではありませんが、もしかするとティブは不思議な力を持ったネコなのかもしれませんね。
ジブリの呪縛からの解放を描いている?
本作「メアリと魔女の花」のラストでは、こんなセリフが使われています。
メアリの魔法に関するセリフ
- 「全ての魔法よ消えろ!」
- 「魔法なんていらない!」
- 「でも、私にはもう必要ないの」夜間飛行ポイッ
- 「魔法が使えるのこれが最後だから」
ちまたでは、この「魔法」という言葉は、ジブリという強大な力を表わしているという都市伝説があります。
「メアリと魔女の花」のラストでメアリは魔法の力を捨てる。
=ジブリという呪縛からの解放を描いている。
なんて言う人もいるみたいですが、個人的には呪縛とかそんな恐ろしいものではなくて、単純にこれからの決意を表わしているのかなと思いました。
スタジオポノックの"ポノック"はクロアチア語で"深夜0時"を意味する言葉で、「新たな一日のはじまり」や、「ゼロからの挑戦」を表わしているのだとか。
そんな所からも米林監督や西村プロデューサーたちの意気込みが感じられます。
「メアリと魔女の花」がジブリっぽい理由は?のまとめ
米林監督は、「メアリと魔女の花はドキドキとワクワクに満ちたエンターテインメント作品を目指します。」と語っていました。
確かにこれまでの「借りぐらしのアリエッティ」や「思い出のマーニー」とは作品の雰囲気が明らかに違いますよね。
私は「千と千尋の神隠し」の大冒険とワクワク感が大好きなので、今後もこういった感じの作品を作ってくれることに期待しています♪
最近の映画はさわやか青春ストーリーが多いような気がしますが、お祭りハチャメチャファンタジー映画も良いですよね(笑)

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